「地域主体で見守る」をつくり上げるために

  • 2019.08.16 Friday
  • 15:33

 

 県老施協特養委員長 田辺 祐己(特別養護老人ホームくやはら施設長)

 

今、様々な新開発のICTシステムによって 世代を超えた「互助」の輪が、つながろうとしている。そんな中で興味を持ったのが、セーフティネットリンケージの「みまもりあいプロジェクト」である。開発にあたって考えられたのは、「日本人が持つ『互助の精神』を生かせるシステムをつくりたい」ということだ。日本のすごいところは、日本の交番には毎年、約160億円の現金が拾われて届けられ、7割がご本人に戻ってくるとのことだ。これは世界中どこの国を探しても類を見ないことだと思う。この互助の精神は「交番に届ければ落とし主に届けてくれるだろう」という交番への信頼があるからこそ形になっている。それならば、日本人がすでに持っている「地域が持つ助け合いの心」互助を活用するために交番のように信頼される「見守りの仕組」を提供できれば、互助基盤を活用して安くて誰もが使える見守りが実現できるのではと考えた。

その発想から開発されたのが「捜索支援アプリ(みまもりあいアプリ)」と「緊急連絡 ステッカー(みまもりあいステッカー)」で、見守り合える街を育てるというのが軸になっている。

アプリは無料で、スマホでダウンロードした協力者の力を借りて、早期発見につなげる捜索支援ツールである。依頼者がボタン1つで協力者に捜索依頼と捜索者情報を送ることができる。このみまもりあいプロジェクトを地域で拡げるには、いかにアプリのダウンロード数を増やすかである。

 もう一つのステッカーは見守りが必要な方が普段持ち歩くお財布や携帯等に貼り付けてもらう。万一外出中に迷子や事故等で病院に緊急搬送されたとしても、発見・保護者がみまもりあいステッカーに記載されたフリーダイヤルに電話してID番号を入力すると、個人情報をお互いに公開することなく、家族があらかじめ通報先として登録した電話に直接連絡がかかるというものである。

この二つのシステムは日本人の特性を生かしたものであると感じ、いかに地域で拡げていけるか、そしてその中で社会福祉法人は何を担えるのか、前向きに考えてみようと思える、そんな出会となった。

 

参考 一般社団法人セーフティネットリンケージ 

http://mimamoriai.net/

万葉集にわかにブーム到来

  • 2019.07.01 Monday
  • 08:30

 県老施協養護委員長 後藤 光好(養護老人ホーム春日園施設長)

 

 新しい時代が幕を開け2ヶ月が過ぎました。新元号「令和」の出典が万葉集「梅花の歌」だったことから、世間では万葉集ブームが起こっているようです。私の住む旧子持村(現渋川市)にも万葉集に詠われた歌碑が有るのでご紹介します。子持山の麓にある子持神社の境内に歌碑があります。万葉集第十四巻(歌番号14/3494

 原文:児毛知夜麻 和影嘉平留氐能 毛美都麻氐 宿毛等和波毛布 汝波安杼可毛布

 よみ:子持山 若楓の紅葉まで 寝もと吾は思ふ汝はあどか思ふ

  意味:子持山(こもちやま)の若い楓(かえで)の葉が紅葉するまで、寝ようと私は思    います。あなたはどう思いますか?

 楓にことよせて大胆に愛をなげかけた素朴な表現ですが、くったくのない、明るく、健康的な万葉人の心を思わせる相聞歌ですね。                            

 もう一つは、三国街道脇往還白井宿にある歌碑「ただ渡りの歌」です。(歌番号14/3413

 原文:刀祢河拍乃 可波世毛思良受 多太和多里 奈美尓安市能須 安流伎美可母

 よみ:利根川の、川瀬も知らず、直渡り、波に逢ふのす、逢える君かも

  意味:利根川の浅瀬も確かめずにまっすぐに渡って不意に出くわすようにひたむきな気    持ちで逢いに来て思いかけずに出逢ったあなた あぁ

 これも男女の愛を歌った相聞歌で、表現は極めて直截的・具体的。

いずれも作者不明ですが、人々の生活や恋愛が素直に反映された、素朴で大らかな歌が多い事が万葉集の魅力のひとつなのでしょうか。

 新元号への注目から、万葉集のさまざまな入門書にふたたびスポットが当たっているいまだからこそ、興味を引かれた歌を入り口に日本最古の和歌集に手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

                     

 

 

 

高齢ドライバーの事故多発⁉

  • 2019.06.01 Saturday
  • 08:30

 

県老施協広報委員長 吉川幸二郎(特別養護老人ホームエンジェルホーム施設長)

 

 高齢ドライバーによる交通事故の報道が相次いでいる。群馬県内においても、昨年1月、高校生二人を巻き込む痛ましい事故が起きたことは記憶に新しい。

 事故の報道がされるたびに、「高齢者は免許を返納しろ」「高齢者からは免許を取り上げるべきだ」「運転を止められない家族にも責任がある」。そんな意見を耳にする。

 ここまで連日のように報道されると、近年、高齢ドライバーによる死亡事故が急増しているかのような印象を受けるが、実際はどうなのだろうか。

 交通事故全体の死者数で見ると、1970年の16,765人をピークに、その後は多少の増減がありながらも、長期的に見ればその数は減り続け、2018年には3,532人で、ピークのおおよそ5分の1と大幅に減少している。一方で、75歳以上のドライバーによる死亡事故に関しては、ここ10年間は400~500件の間で推移しており、ほぼ横ばいである。

 全体での死亡事故が減少する中で、高齢ドライバーによる事故が横ばいであるから、その割合が相対的に上昇していることは間違いないものの、最近になって、急に高齢ドライバーによる死亡事故が増えてきたような認識は誤りである。

 私が働く特別養護老人ホームのある榛名山麓においても、高齢者(もみじ)マークをつけた自動車がよく走っている。私も子を持つ親として、わが子がそんな事故に巻き込まれたらと、想像するだけでいたたまれない気持ちになるが、この傾斜が多い地域で、自動車を使わなければ、買い物にも病院にも行けない高齢者から、その足である自動車を取り上げることで、問題が解決するわけではない。

 ブレーキとアクセルの踏み間違えを防ぐ装置や、自動ブレーキシステムなど、自動車自体の安全装置の向上と、それらの購入に対する補助や、公共交通機関の整備など、福祉政策の充実を願うとともに、高齢者福祉に携わる者としては、事故の報道があるたびに、高齢ドライバーを世の中から排除するような論調には、きちんと反論していきたいと思う。

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